教会へ行かない人も、洗礼を受けていない人も、なぜかソワソワしている聖夜・クリスマスイブの中、一人静かにパソコンに向かって、貴女への愛のメッセージをおくりたいと思います。
メディアを中心にクリスマス当日まで、おひとり様に“苦しみます (Christmas)”とか、“シングルベル (Jingle Bells)”、はたまた 別れが多い人を“バツ印 増す (Xmas)”と 囁いて、間接脅迫する風潮があります。
デートに誘われそうにない人、ケーキや指輪をプレゼントされる予定がない人、スキーに連れて行ってもらえない人へ。
「人を頼ったり 物をもらったりしちゃいけない」
スーパーボランティア・尾畠春夫さんの名言です。
バブリーな和風クリスマスを卒業しましょうよ。 自分を信じて、ぶれないで生きていきましょう。
玩具コレクションから
ちょっと考えれば、歴史上、クリスマスで騒いだり、プレゼント交換をするようになったのは、最近のことと分かります。 赤い服と帽子をかぶった小太り白髭のサンタクロース。 あのポジティブなキャラクターは、19世紀になって、アメリカのコカ・コーラ社が伸び悩む売上を挽回しようと、親しみやすい姿を考案したものです。
サンタクロースのルーツは、3~4世紀、司教をしていた実在の 聖ニコラウス(280-345/352) だといわれています。 聖ニコラウスは、ギリシャやロシアの東方正教会を中心に伝わっていきます。 11世紀にはイタリアに、17世紀にはオランダへと伝わり、痩せて茶色や緑色の地味な聖職服の姿で何世紀もの間、描かれてきました。 (参考:西南学院大学博物館「サンタクロース」展)
《聖ニコラウス》 19世紀/ドイツ/ガラス絵
福岡市・西南学院大学博物館「サンタクロース」展 チラシ
2019年1月11日まで
現代のサンタクロースは、玩具メーカーや洋菓子メーカー、貴金属関連などの商魂たくましい中で、好感度アップの可愛いキャラクターに変化し続けてきたのです。
民芸品コレクションから
孤独の旅を選び、厳しい修業をした達磨でさえ、商売繁盛や選挙当選を目的として赤い服を着せられました。 赤い服に替えられた聖ニコラウスと同じですね。
玩具コレクションから
おひとり様に厳しく言ってはみたものの、わたくし、無神論者を装った隠れキノシタンなので、聖夜はちょっぴり浮かれさせていただきます。 「君子は豹変す」 です。
明朝、枕元にサンタさんからのプレゼントが見当たらなくても、いつもと変わらない朝が貴女へ微笑んでくれます。
「朝は必ず来るよ」
これまた、スーパーボランティア・尾畠春夫さんの名言でした。