80万球のイルミネーションの光の下、「クリスマスマーケットin 光の街・博多 2018」が、JR博多駅前広場で開催中です。
過去のブログで、博多駅前の銅像が逆DV(ドウゾウ・ハラスメント)に遭っていることを書いてきました。
今年は若干 諦観の境地で楽しむことにしました。 駅前広場に対面する朝日ビル
8階で、「はじめての人物デッサン」の教室講師をしていますので、LEDを使ったイルミネーションに慣れたせいかもしれません。
朝日カルチャーセンター福岡 「はじめての人物デッサン」教室から見た 博多駅前広場
(2018/12/21)
駅前広場に建つ銅像「黒田武士像」 彫刻: 米治一製作。
福岡博多ライオンズクラブ寄贈。 1970(昭和45)年設置。
モデルは福岡藩主黒田長政公の家臣で大酒豪の母里もり太兵衛。
秀吉伝来の名槍「日本号」を抱え、右手に一尺の大杯を持つ、堂々とした立ち姿。
♪酒は飲め飲め 飲むならば 日本一の この槍を~ 昭和世代には お馴染み「黒田武士」の銅像です。 設置当時は、博多駅前のシンボル的なモニュメントでしたが、駅の再開発工事で広場の隅に左遷させられました。 今の状況は? 広場の上から見下ろしてみましょう。
写真の左縁に建っているのが「黒田武士像」です。中央は、飲食・雑貨のコーナー。 右側は、連日開かれる大賑わいの音楽ライブやダンスなどのステージ。 銅像が、クリスマスマーケット会場の裏にひっそり佇んでいるのが分かります。
各テナントが使用する給水タンクなどの道具置き場と重なり、楽屋裏(バックステージ)状態の中でじっと耐えています。
♪酒は飲め飲め 飲むならば 日本一の この槍を 飲みとる程に 飲むならば これぞまことの黒田武士 ※歌:赤坂小梅 コロムビアレコードの人気芸者歌手。 1942(昭和17)年発表。
銅像台座の銘板、民謡「黒田節」の歌詞も、イベント側の配慮で保護板が付けられていますが・・・
スタッフオンリー、関係者ぐらいしか利用しない通路に建つ銅像「黒田武士像」。
博多駅正面に建つヘンリ・ムーアの彫刻 「着衣の横たわる母と子」
JR博多駅(博多口)を出ると、正面にヘンリー・ムーアのブロンズ彫刻「着衣の横たわる母と子」 が迎えてくれます。
※ Henry Moore: イギリスの彫刻家。 大理石やブロンズの大型抽象彫刻で知られる。
※ Henry Moore: イギリスの彫刻家。 大理石やブロンズの大型抽象彫刻で知られる。
ここは、クリスマスマーケットでも人気のあるイルミネーションスポットのひとつです。中国、台湾や韓国からの皆さんたちが大声で記念撮影をしています。 しかし・・・
写真中央にヘンリ・ムーアの彫刻が。 クールジャパン? 電照菊じゃないですか!
発光ダイオードLEDで照らされるこの光景は、街路樹だけでなく、世界的な彫刻家の作品までもが、電照菊※のようになっています。 街路樹に巻き付けたLEDイルミネーションを美しく感じないわたしは、少数派のようです。
※ 電照菊――出荷時期を調整する電照栽培で、 開花の調整を図り、葬祭や墓参り、法事やお彼岸お盆などに最高の状態で出荷する菊の花。
主催者側が作った案内板には、ヘンリ・ムーアの彫刻には一言も触れていません。
「花のティアラ」 ですか。なるほど。 適材適所、違う場所だったらストレスなく美しく感じるのでしょうけど。 作家が見たらどう思うかな。
わたしが10代、20代だったら、恋人しか目に入らないのかも。 若者よ青春だ!
「博多節舞姿」
「博多節舞姿」
彫刻家 安永良徳製作。 1968(昭和43)年設置。 博多織「松居」寄贈。
1883(明治16)年創業の博多人形・博多織老舗 「松居まつい」が、
85周年を記念して福岡市に寄贈したもの。
最後の銅像は「博多節舞姿」。 こちらも、目立たない場所、目立たない演出に疑問を持ちます。 銅像の背後と側面にぴったり壁が。 銅像台座の銘板も隠されて読み取れません。 虐待ですよこれは。 光の街だったら、銅像にも光を!
“松香” (禁転載 Jun-ichi Kinoshita)
銅像のモデルは、当時人気の名博多芸妓(芸者) “松香” 。
彫刻家 安永良徳氏のアトリエ(福岡市地行)でポーズをとりました。 写真はその時のもので、安永さんのアルバムから紹介しています。
銅像のモデルは、当時人気の名博多芸妓(芸者) “松香” 。
彫刻家 安永良徳氏のアトリエ(福岡市地行)でポーズをとりました。 写真はその時のもので、安永さんのアルバムから紹介しています。
島田結いの芸妓が、黒紋の留め袖着物に博多帯を締め、 花柳界の座敷唄のひとつ、三味線をとって歌う正調「博多節」の舞いポーズです。
福岡にいらした旅行客や、久しぶりに帰省する人たちにもっと見てほしい彫刻なのですが。 渋谷のハチ公がうらやましい。
喧騒のクリスマスマーケットの中を、襟を立てて帰ろうとしたら、
この灯りに、なぜかホッとしました。 白熱灯か、蛍光球か、これは竹と紙のコラボです。 職人さんの温かい気持ちが伝わりますね。 普段は近づきたくないところなのに、不思議です。
広場内にある、博多警察署博多駅前警部交番の提灯でした。
おまけ
博多駅近くの居酒屋「博多麺屋台組」前で。
裸電球に吸い寄せられそうになります。 先祖は虫か?
博多駅近く「ホテルコピア」屋上に立つ 昭和レトロなネオンサイン塔
店頭には「REFRESH OPEN」の看板があるので、その関係のホテルかと・・・。
帰途、目を閉じると、流れ星が見えたような気がしました。
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