「上場廃止危機」、「数万人規模の大量リストラ」、「倒産」、「解体」、「外資に吸収」と、日本を代表する巨大企業の東芝に関する最近のニュースは、 以前では考えられないタイトルが躍っています。
個人的には、東芝製品に失望したことがありません。このブログも、東芝ノートパソコン「ダイナブックWindows7」 を使って更新中。 7年目で故障知らず。 洗濯機もオーブントースターも 20年以上の現役選手。 タフです。
一世代前のテレビが、美しい色と懐が深い音を提供してくれたブラウン管テレビの
「バズーカ」。 これも長寿命でした。 いずれも高信頼の家電で、お世話になってきました。 東芝が経営再建中? 「こんな会社に誰がした。」 です。
東芝の経営理念に対して最初に疑問を感じたのは、20年前の97年でした。 イタリアの世界遺産の街、ミラノの中心にあるドゥーモ前広場で見た「TOSHIBA」ロゴが目立つ大看板でした。 オーディオ・ビデオ・TV・コピー機・コンピューターの文字も添えられていました。
あの頃は、欧米で、日本企業の広告看板が地元の看板を席巻。 これ見よがしで成金そのものでした。 空港から街の中心部まで日本メーカーの広告看板が続いているのを見て、各社営業のバイタリティを思うとともに、貿易相手国の都市景観を道頓堀や秋葉原のようにしていることがとても恥ずかしく感じられたものです。
ミラノ大聖堂前、 ドゥーモ広場 (1997/08)
写真右下をクリックすると拡大出来ます。 「YKK」 はファスナーやサッシメーカー。
「Technics テクニクス」は、当時、「ナショナル」「松下電器」の海外ブランド名として有名。 現パナソニック(元 松下電器・ナショナル)の音響部門、Hi-Fiオーディオ専用事業のブランド名として復活しました。
平成23年、パナソニックは、三洋電機(株)を完全子会社化し、イギリス・ロンドンの観光名所ピカデリー・サーカスで君臨していた「SANYOサンヨー」看板も消えました。 遅れて同じ壁面にあった「TDK」看板も無くなりました。
広告看板を見ているだけでメーカー間の栄枯盛衰が分かりますね。
ミラノ ドゥーモ前広場 ドゥーモと対面するビルの壁面 (1997/08)
イタリア・ゴシック建築の傑作ドゥーモ(大聖堂) の真正面に建つ建物の写真を
もっと拡大してみます。
「TOSHIBA東芝」 ロゴの横に、韓国の大財閥「SAMSUNG」サムスンの看板が見えます。
東芝とサムスン・・・・世界的観光地で、地元の景観を著しく破壊する おごりの企業体質の匂いを その時に嗅ぎとった と言えば それもおごりでしょうか。
※1988年3月にミラノを訪れた時には、「RICOH リコー」 事務光学・コピー機器メーカーの看板もありました。
2013年3月にミラノ行った時は、あの猥雑なビル壁面から全ての広告看板が消えていました。 大聖堂ドゥーモの屋上から同じ正面の建物を撮影した写真を下記のブログに掲載しています。 ミラノ万博を控えて都市景観を練り直したとの事でしたが、地元の人たちも我慢の限界にきていたのでしょう。
何だ かんだと東芝に否定的なことを綴って来ましたが、東芝を応援したいのは、
グループ内の東芝音楽工業や東芝EM I 製品に大変救われたからです。
フルトヴェングラー指揮 《第九》 バイロイト祝祭管/同合唱団 1951年 LP:東芝EM I
東芝レコードで 最も針をおとしたアルバムでしょう。
写真はプレゼントしたりで買い足しつづけて3枚目のアルバム。
つづく