アメリカのロサンゼルスを本拠地にする大リーグのドジャース。 この春、移籍したばかりのマエケンこと前田健太投手(27)が“全米デビュー”を飾り、3連勝中です。
26日、ドジャースタジアム内で、その前田投手らLAドジャースの選手が、震災被害を受けた熊本県と、南米エクアドルに対し、義援金活動を行ったニュースが流れました。
沖縄は那覇出身のロバーツ監督らがサイン会を開催。1枚10ドルで募金を募ったとか。 今回の義援金活動は、前田選手の提案で、ファンの皆さんの気持といっしょに届けたいと語りました。 ロサンゼルスがあるカリフォルニア州一帯も、度々、地震に見舞われるところです。 大きな地震を体験しているファンも多いので、暖かく支援してくれました。 ありがとう。
わたしがコレクションしている映画ソフトの中に、カリフォルニア・ロサンゼルス地震をモデルにした 『大地震 』(英:Earthquake)があったので、久しぶりに 見直しました。
この映画は、『日本沈没』(1973・東宝)や『唐山とうざん大地震 』(英:Aftershock 2010・中国) などと並んで、今、被災している人たちに見せられる映画ではないし、また、しばらくはテレビ放送もないでしょう。
©1974 Universal Pictures パイオニアLDC PILF-2503(レーザーディスク)
しかし、だだ自粛し過ぎて、昔の映画人たちが情熱を注いで作った災害映画をお蔵入りさせるのもおかしいと思います。 見てもいいと判断した人は、地震対策と救援の参考にもなりますので、よかったらどうぞ です。 単純な荒唐無稽の映画ではないことは、以下のセリフやあらすじから推測できると思います。
地震研究所所長が地震の警告を市長にする場面
「地震の規模は?」
「マグニチュード7か それ以上。 広島・長崎の原爆をあわせたより大きなエネルギーです。」
「公表すれば大騒動になる。」
「それは確かですが、少なくとも警察や消防署に通告しておくべきでしょう。」
「州兵の出動も要請すべきだ。混乱にまぎれての窃盗を極力押さえるべきです。」 「それなら警察力だけで充分だ。」
「大地震が起きれば今までと違います。混乱は必至です。」
「間違えばミシシッピー以西で第一の笑いものだ。」
「第二です。第一は私です。」
主人公の建築技師(チャールトン・ヘストン)が、壊滅状態の街を見ながら呟く場面。
「まだ崩壊するビルがある。建築家として恥ずかしい」
「40階もの高層ビルを建てるべきではなかった」
―日本語字幕から
―日本語字幕から
そして、あらすじ。
ロサンゼルスの地震研究所で、若手研究員が大地震の予兆を上司に伝えますが、先送りされます。 しばらくして、小さなタテ揺れの地震のあとに大地震が襲い、地割れと高層ビルやハイウェイの倒壊、ダムの決壊などが起こります。 市民は救急診療所の設置された地下駐車場に避難しますが、そこへ余震が襲い、生き埋めになります。
有志が救出活動をするなか、ハリウッド・ダムが決壊して濁流が・・・。
『大地震』は、1974年公開のアメリカ・ユニバーサル・ピクチャーズ作品(122分)。
同年世界興行成績で第6位。 翌年、日本での外国映画配給収入が第2位。
当時、劇場に足を運んだ観客は、館内専用スピーカーで低周波の音波を発生させる音響方式により、体をゆさぶられ、地震のような振動を疑似体験しました。
アカデミー・サウンド賞と特別賞の特撮・音響効果を受賞しています。この音響効果は、当時の映画館内だけで、個人で楽しむ市販ソフトやレンタルソフトでは、重低音のウーハーを付けてやっと、という程度しか再現されません。
撮影にあたり、洪水や壁に叩きつけられる危険なアクションシーンのため、当時最高、140人以上のスタントマンを使ったそうです。
パニック映画や特撮映画のジャンルでくくられていますが、今 見直してみて、単なるスペクタクル映画でなかったことが分かりました。
出演は、建築技師(チャールトン・ヘストン、『ベン・ハー』(1959)に出演)、その妻(エヴァ・ガードナー、『北京の55日』(1963))、警官(ジョージ・ケネディ)、 他にウォルター・マッソー など。
映画『大地震』の舞台がロサンゼルスでしたから、ドジャースタジアムで募金してくれた人たちの多くは、この映画を観ていたと思います。