Quantcast
Channel: 木ノ下淳一 アトリエ・キノチッタ ブログ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 971

世界一質素な大統領 来日

$
0
0
貧乏な人とは、少ししかものをもっていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人の事だ。」
            (2012年ブラジル・リオデジャネイロ国連地球サミット環境会議)

物を持っていることが必ずしも豊かだということではないという、伝説の国連スピーチをした、南米 ウルグアイ元大統領ホセ・ムヒカ氏(80)が初来日 。 

キング牧師やマンデラ大統領と並ぶ歴史的人物です。もっと早く国賓として招待してほしかった。 ご高齢なのに、地球の反対側からよく来て下さいました。

「世界でもっとも貧しい大統領」という出版物などのタイトルやコピーのせいか、貧乏な大統領のイメージが先行しましたが、貧乏どころか、その清貧を実行し愉しむ姿には生き方の理想さえ示しています。 早く訂正してもらいたいものです。

また、各メディアの来日の扱いが小さいのにはガッカリです。
どうでもいい刹那的ニュースが幅を利かせる日本の報道に呆れます。
どこからか圧力がかかりましたか。笑いもでません。

わたし、ウルグアイといえば、動物園の人気者カピバラの生息地のイメージしかありませんでした。
昨年、ホセ・ムヒカ氏関連本を読んで、スペイン占領前のモンゴロイド系先住民の誇りや文化の高さも知らず、不勉強を恥じました。
ウルグアイの国歌の歌詞も素晴らしいこと! 冒頭の一部ですが紹介します。

東方人(オリエンターレス)よ、祖国か墓場か!
さもなくば自由か栄光ある死か!


ホセ・ムヒカ氏 のエピソードと、在任中2010年~2015年)の政策実績
                                    ※ウルグアイの大統領任期は期が最長

◎時の軍事政権に反政府活動で獄中生活14年近く(1972年~85年)。
 投獄4回、脱2回。うち10年は軍の独房。本が読めない厳しい環境は、つらい
 歳月だったそう。 銃撃戦で6発撃たれ、重傷を負ったこともある。
◎アメリカとキューバの国交正常化交渉の橋渡し。オバマ大統領の希望をカストロ  
 議長に伝える。
◎再生可能エネルギー(太陽光・風力)推進で、電力国内需要の9割を達成。
◎大麻合法化。 密売組織の資金源を断つことで、ノーベル平和賞候補(2013・14) 
 に。
◎なぜ質素かの質問に、「大統領になって生活水準を上げると、暮らしぶりに合わ
 せて物事を考えてしまうから」
◎民間機使用時はエコノミー席。 帰国時は外国の専用機に相乗りしたことも。
◎公用車は友人たちから もらった80年代後半製造・20万円相当のフォルクスワー
 ゲン。
◎要人のおもてなしをする時、自分の家は質素なので、近所の友人宅を使い迎賓 
 館がわりにした。
◎報酬は、約100万円のところを手取り10万円。 社会福祉団体に9割寄付。
◎公邸は水道がない井戸水の農園。
◎ネクタイが嫌い。外国トップに合う時もしない。 「ネクタイは役に立たない雑巾。
 ネクタイは男らしさの虚栄のあらわれ。」 ・・・


彼が小さい時に見た日本人移民は貧しくとも勤勉だったそうです。現在もウルグアイで数百人の日系人が活躍。 友人もおり、親日派です。
禅や武士道など日本の歴史にも造詣があり、今回の来日は、直接日本から学びたいということです。
私は日本人に問いたい。
日本人は幸せなのか、 人類が何処に向かって行くのか、
幸せにいきているだろうか 愚かな過ちを繰り返してはいけない。
どんな世界を夢みたいのかを考えずに私達の将来は無い。


『世界でもっとも貧しい大統領 ホセ・ムヒカの言葉』  佐藤 美由紀 著  双葉社 2015

ホセ・ムヒカ大統領の演説「もっとも衝撃的なスピーチ」全文掲載。
講演やインタビューからの名言集。 人生、文化、思想を綴った 最高の幸福論。 おススメです。




Viewing all articles
Browse latest Browse all 971

Trending Articles