前回からの続きです。
会場入り口に並ぶカプセルトイ販売機で注目は、原型製作::寒河江弘氏による「十代目松本幸四郎襲名記念フィギュア」。口上、石橋・獅子王、 幕引き、一條大蔵譚、の精巧なフィギュアがありました。歌舞伎ファンにはオススメです。 (写真奥上段)
入り口前の展示ケース(撮影禁止)は、同学部講師の加藤蓮氏(Studio蓮主宰)※ による作品コーナーでした。 そのなかでも、奈良・興福寺の木造仏「国宝 天燈鬼てんとうき と龍燈鬼りゅうとうき」(ダイキャスト製 2017) の精密フィギュアはお気に入りです。
※1980年代から海洋堂の造型師として参加。一時独立するもデジタル技術を駆使し、2015年から海洋堂と共同企画に参加。
わたしがコレクションしているのは、オリジナル原型のダイキャスト製ではなく、商品化されたポリストーン製(上の写真)。 手のひらサイズの重厚感ある造りと、落ち着いた印象のブロンズ調の塗装に仕上がってます。
詳しくは
模型メーカー「海洋堂」社長講演会 (2017/12/10)
https://blogs.yahoo.co.jp/rrnwy297/57934867.html
https://blogs.yahoo.co.jp/rrnwy297/57934867.html
岡本太郎 「太陽の塔」 ©Taro Okamoto © KAIYODO
写真中央が1/144「太陽の塔」。 500mmメガサイズのソフトビニール製
造型師:木下隆志 2013
左が 1/350「太陽の塔」 造型師:木下隆志 2010 他にも 各種サイズ出ています。
岡本太郎 「生命の樹」 原型製作:木下隆志 ©Taro Okamoto © KAIYODO
実物は、1970年・大阪万博のランドマーク「太陽の塔」 の内部展示として製作。
2011年「生誕100年岡本太郎展」 に1/20スケールで再現し展示されました。
進化を表していますね。
「親鸞聖人」(写真左)と 「法然上人」(写真右) © KAIYODO
「親鸞聖人」ダイキャスト完成品750回忌記念企画「親鸞展」公式フィギュア造型師:木下隆志2010
「法然上人」ダイキャスト完成品 800年大遠忌記念フィギュア 造型師:東田万偶斎 2011
「法然上人」ダイキャスト完成品 800年大遠忌記念フィギュア 造型師:東田万偶斎 2011
「風神」「雷神」 © KAIYODO
「風神」「雷神」 ダイキャスト完成品 東京国立博物館公式フィギュア 造型師:竹谷隆之 2012
後方は、月光菩薩立像
後方は、月光菩薩立像
松村しのぶ氏の精巧な動物フィギュア コーナーです。 アフリカゾウ、インドサイ、チンパンジー、マッコウクジラ、ホオジロザメ・・・微妙なデフォルメが凄い!
「ティラノサウルス孵化」 松村しのぶ
「始祖鳥」 (原寸大) 松村しのぶ ポリストーン(石粉粘土)
「始祖鳥」 (部分) 松村しのぶ
「始祖鳥」キャプションから引用――
「ドイツのゾルンホーフェンで見つかった「始祖鳥」ベルリン標本は これまで人類が発掘した化石の中で最も美しいものの一つでしょう。 その実物化石のレプリカに合わせて原寸大の始祖鳥の姿を造形してみました。 ~略~ 表面に残った羽毛の痕跡から 始祖鳥はすでに現代の鳥とほとんど同じ外見をしており、今の鳥の「上尾節」 にあたる尾の付け根の羽毛が尾羽根とつながって一体化しているようにもみえ、このあたりの構造は謎ですね。」 松村しのぶ談
観るだけではなく、実際に精巧に立体化された造形師の言葉は重いです。
同じく松村しのぶ氏の作品。 この作品が今回の展覧会で一番印象に残りました。
「雑木林の収穫祭」 松村しのぶ(石粉粘土・レジン)
「雑木林の収穫祭」 (部分)松村しのぶ
「キイロスズメバチの巣を総出で襲うオオスズメバチの行動をいわゆる「ハレ」 の儀式=祭りと解釈した作品です。」 松村しのぶ氏談
造型師の気迫に圧倒されます。 そういえば、最近の日本車のテールランプが、オオスズメバチの目のようなデザインで気になります。 トヨタでしたか。
次回に続きます。