先日、絵画教室で「教育勅語」 の話題が出ました。
これはもちろん、国有地買い取り問題で揺れる学校法人が、幼稚園児たちに「教育勅語」 を文語体の原文のまま暗唱させていたニュースがネタです。
政治的な話ではありませんでした。 昭和10年前後に生まれた生徒さんの名前に、「教育勅語」 に出てくる漢字が由来という生徒さんが数名いたからです。
日中戦争から太平洋戦争にかけて、子ども時代に戦争を体験した1930年代から
1945(昭和20)年に生まれた人に多いとか。
「教育勅語原文」を検索してみると、確かに80歳前後の方の名前に、原文の漢字が良く使われています。 1945年、敗戦の年の子ども190万人の人気名前ランキングがでています。
男の子は、勝 勇 進 清 勝利 博 勲 弘 稔 修・・・
女の子は、和子 幸子 洋子 節子 美智子 勝子 信子 美代子 京子・・・
女の子は、和子 幸子 洋子 節子 美智子 勝子 信子 美代子 京子・・・
そこで、「教育勅語原文」のなかから人名に使われそうな漢字を抽出してみました。
国 肇はじめ宏 遠 徳 樹 厚 民 克 忠 孝 国 華 育 実 友 朋 恭 博 学 修 智 啓 法 義 道 徳
これらの字を見ていたら、どこか懐かしさを感じる不思議な感覚になりました。
大正から昭和にかけて生まれた親たちの幼き姿と重なったからかもしれません。
「教育勅語」 明治神宮 社務所発行(平成27年版)
裏には 五箇条の御誓文と 明治天皇・皇太后の一日一首が載っています。
今話題の「教育勅語」。 明治神宮で配布していた栞を出してみました。
昨年夏、上京した折に寄った明治神宮と外苑。 その時、本殿に置かれていた無料配布の「教育勅語」 を土産に持って帰ったものです。
昨年夏、上京した折に寄った明治神宮と外苑。 その時、本殿に置かれていた無料配布の「教育勅語」 を土産に持って帰ったものです。
原文の、難しい漢字に句読点なし濁点なしの片仮名表記は、子どもだけでなく大人にも難しい。 わたしが明治神宮から持って帰った「教育勅語」は、振り仮名を付け、濁点と句読点を入れた文と、口語文(意訳)が付いていました。
(そういえば、海外観光客のために英文もありましたね。)
閑話休題。
本妻のほかに側室が5人いたという明治天皇の教育方針「教育勅語」 新訳に、帝の御子・光源氏を中心に描いた『源氏物語』 の著名な訳者の皆さんに登場していただき協力してもらうという企画はどうでしょう。
。
。
「君死にたまふことなかれ」 を発表した時代の与謝野晶子と、後に「水軍の 大尉となりて わが四郎 み軍いくさにゆく たけく戦へ」 と詠んだ与謝野晶子。
陸軍軍医総監でもあった森鴎外。
戦時中、軍部の発行差し止め圧力のもと、『細雪』を執筆し続けた谷崎潤一郎。
そして、円地文子、 橋本治、 『欲しがりません勝つまでは 私の終戦まで』(新潮文庫)の田辺聖子、 「子宮作家」と呼ばれた戸内寂聴、 林望・・・
最後に、『明治天皇は語る』(新潮新書)、 『明治天皇』(新潮文庫) の著者キーン・ドナルド(ドナルド・キーン、鬼怒鳴門)さん の日本語訳は本命でしょうか。
「教育勅語」に対し、肯定も否定も個人の自由ですが、原文を、いや口語文を一通り読んでからの発言者は、どれだけいるやら。 肯定派と否定派のどちらも、イメージ
だけが独り歩きしているようです。
東京滞在記 明治神宮御苑 (2016/08/15)
http://blogs.yahoo.co.jp/rrnwy297/57413914.html
http://blogs.yahoo.co.jp/rrnwy297/57413914.html