五月というのに、夏日、真夏日が連日続くこの暑さは、猛暑の夏を予感させます。
ここいらでちょっと清涼感を味わおうと、夏を前倒しして、水中花すいちゅうか と呼ばれる 駄玩具を出してみました。
水を吸って開く、高さ8センチ程の紙製の造花で、根元にオモリを兼ねた磁器の鉢が付いています。
手元にあったのは、半世紀前の昭和40年ごろ購入した未使用の水中花。
そのまま並べてみても、可愛いのですが、いくつか選び、実際、水に入れて咲かせてみました。 50年して やっと開花です。
二十歳の頃だったでしょうか。阿久悠作詞、井上忠夫作曲・編曲の「水中花」の歌が発表されるや、歌詞が気に入り、レコードを買い求めました。作曲の井上忠夫が歌ったものと、倍賞千恵子の澄み切った歌唱のものです。
♪線香花火チリチリと 松葉模様えがいてる
金魚蜂では ポトリ 紙の花咲く
水の中で開く花 外に出せば ただの紙
そうよ私は ここで生きているだけ
(略)
♪針の音がシャーシャーと 歌のすき間うずめてる
古いレコード かけて 酒をのむのよ
辞書を開き 知らぬ文字 さがしながら書く手紙
頬に流れる 涙拭きもしないで
(略)
井上忠夫といえば、グループ・サウンズ、ジャッキー吉川とブルー・コメッツ時代の「ブルー・シャトウ」です。 井上大輔に改名してからは、「学園天国」、「ランナウェイ」など、ヒット曲を次々に出しました。
「水中花」は、その後、いろいろな歌手がカバーしていますが、やはり、最初に聴いた2人のアルバムがお気に入りです。
倍賞千恵子様の 「水中花」 が入っているカセットも、外でよく聴きました。
今でも、充分聴けます。
にっぽんの歌 第2抄 四季の歌/倍賞千恵子
1977年 キングレコード(カセット) A-172
水中花の話題で、この歌手を忘れてはいけませんね。
松坂慶子の「愛の水中花」。 1979年です。
写真: 松坂慶子/歌 「愛の水中花」 コロムビア AK-189(シングル盤)
五木寛之作詩/小松原まさし作曲・編曲
♪これも愛 あれも愛 たぶん愛 きっと愛
だって淋しいものよ 泣けないなんて~
~乾いたこの花に 水をあたえてください~
~乾いたこの花に 水をあたえてください~
五木寛之著 『水中花』新潮社 が原作のTBS系テレビドラマ「水中花」 主題歌でした。