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Channel: 木ノ下淳一 アトリエ・キノチッタ ブログ
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道路標識への悪戯

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昨年末から正月にかけて、京都や大阪の道路標識板の上に、ハートや人型のステッカーが貼られる事件がありました。
14日、大阪府警は信号機等の移転・器物損壊等の道路交通法違反疑いで、容疑者の後援者?を逮捕。
 
イメージ 3
photo by Jun‐ichi Kinoshita      2013/03/12
 
標識をいじった張本人のアブラーム氏は、「標識が愛されていない。もっと人々は標識に対してアート性を議論すべきだよ。この行為と作品で標識に興味を持つように注目が集まればいいね。自分のアートは標識の10%ぐらいの部分しか使っていないから目的は妨げていない。」とのコメントを残し離日。早い話、逃亡ですか。
 
アブラーム氏はイタリアのフィレンツェを拠点に活動するフランス人で、ステッカー・アーバン・アーティスト (Sticker Urban Artist)と称しているそうです。
実は、2年前、彼の標識作品をイタリアのミラノで偶然見ています。
 
拙ブログ:
北イタリア・ミラノ五里霧中 http://blogs.yahoo.co.jp/rrnwy297/55426303.html
 
今回の事件で問題になった標識の中に、ミラノで見たのと同じ標識がありました。
 
イメージ 4
photo by Jun‐ichi Kinoshita      2013/03/12
 
円型赤地に白抜き横棒の車両進入禁止マーク。それに黒の人型を加工しています。それ自体、美術館やギャラリーで観たら面白いと思うのですが、命に関わる標識を使ったことは、ダメでしょう。 “一線を超えたイタズラ”  です。
 
ステッカーが覆いヘッドライトで反射する形も変わってしまうので、非常に危険なイタズラです。公共の標識への悪戯は、ユーモアでもウィットでもエスプリでもありません。また、その程度の思慮でしたら、事故が起きた後の想像もしていないでしょうしね。
 
彼は日本の標識に対する感度が低いような発言を他でもしているようですが、青と赤の人が並ぶ「トイレ」サインや、“走る人”の「非常口」サインは世界に広がった日本発のマークだということを知っていたのでしょうか。
 
日本から「ピクトグラム」と呼ばれる文字に頼らない絵文字・視覚文字の数々を世界発信しています。
特に1964年に開催された東京オリンピック大会から普及した、競技や施設マークを世界の財産と考え、それらを共有してもらおうと製作スタッフは著作権を放棄しました。アブラーム氏、その歴史を御存じないようです。残念。
また漫画やアニメ、家紋、紋切、顔文字など独特の発展を遂げている日本文化への敬意が薄いようです。
 
ニュース画像を見た限り、あれは標識の変種、亜種であって、あれが原因で事故になったらと思うと・・・ユーモアの精神は私物でして下さいね、です。
 
話変わって、日頃から気になっている事があります。
交差点で待つ間、信号機や標識の存在と同じくらい(それと)同じ配色をした看板やポスターが眼に飛び込んできます。
これ見よがしのド派手な看板や広告で、信号機や標識の存在が弱められ、保護色のように同化しているのです。
 
電柱が林立し電線が絡まる、ただでさえ猥雑な街の中、信号や標識の存在を弱めているモノに対して慣れてしまったのか、それとも不感症になったのか。
それらを注意、勧告、許可しない条例を作る時がきたようです。
 
 
イメージ 1
「歩行者専用」標識。
クネクネしているので、
これはイタズラしがいがあります。
 
イメージ 2
個人的に気に入っている「横断歩道」標識です。
 
 

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